中国09年7月1日から実施、検閲ソフト義務化報道について

北京星流 2009年6月11日

「工業和信息化部通知」の概略

 6月、中国系のニュースサイトが報じている「工信部通知」と日本人の解釈に微妙な温度差があります。この通知を受け、一部の日本人の間では、「7月から自分が現在使っているPCも当局の指示に従いソフトをインストールしなければならない」「個人のPCも検閲対象となるのでサイトを自由に見れなくなる」などと誤解されていますが、和訳文書がないことによる個人毎の勝手な解釈が原因のようです。

 検閲ソフト搭載機種の出荷義務が発生すると報道されたのは、PCを販売する中国国内の全パソコン(外資系輸入品を含む)がパソコンメーカーが対象です。
 つまり、7月以降に中国で購入するPCは、当部が指定する「緑バー・花季護航」がインストールされて出荷されるという意味です。
 
 PC購入者本人に検閲ソフトウェアの使用、不使用の自由があり、指定ソフトを個人で入れる義務はありません。

 当部の主たる目的は、「悪質情報の閲覧を制限することにより、未成年の健康的な成長を保護し、ネットの健全化を図る」となっています。

中国では、政府の方針として同じような仕組みを2年程前からISP(インターネット接続業者)にも設置をしており、今回は通信業者側だけでなく個々の端末側からも強化しようと一歩踏み込んだ対応となります。

 関連する日本語ニュース
 NNA.ASIA 6月11日付け 「全PC製品に検閲ソフト搭載、7月1日から義務化[IT]」
 NIKKEI. 6月9日付け 「中国、7月から全パソコンに検閲ソフト義務化」



政府指定のソフトの概要


当社は、工信部指定ソフトを中文WindowsPC上で試しました。起動画面からも判るように、一般家庭向けの簡単なソフトウェアです。

指定ソフト
緑バーと花季の現地2社が共同開発した「閲覧濾過ソフト」起動画面

 ●キーワード検索操作のログ(記録)と有害情報、有害画像へのアクセスの切断ができます。

 ●ダウンロード版ソフトは、操作は簡単ですが作りが粗末で動作に問題があります。起動と同時に直ぐに「最新版にアップデートしなさい」と指示が出てきました。はじめから最新版を提供することはできないのでしょうか?

 ●最新版にアップグレードしようと試みると、「WEBアクセスが集中しており、しばらくお待ち下さい」の画面が繰り返し出てきます。報道により、アクセスが殺到しているようです。

  時間を変えてようやく接続、最新版にしたところ、機能が減りました。古い版では、制限できる項目がいつくも選べるようになっていましたが、最新版では制限カテゴリーが1つだけになります。この製品はまだ多くの不具合を含んだ状態でリリースされているようです。

 ●このソフトを入れると同時に、アンチウィルスソフトから危険度の高いウィルスとして検出されました。どんな仕組みのプログラムなのか判りませんが、興味本位でインストールすることはお止め下さい。

  ●ソフトの起動中は、メモリーに常駐しますのでPCの速度は見た目にも判る程に低下します。実際にWEBを閲覧してみると、通常のサイトの表示も明らかに遅くなり実用には時間がかかりそうです。

 ●アクセス遮断以外の機能に、操作画面のまるごと記録があります。例えば、チャットをしてる画面では、相手とのやり取りなどがそのままそっくり画像としてログが取られます。記録を取られた本人には、この機能は知られないようになっており、プライバシーの侵害に関わりそうな機能です。画像による記録ですので、PCの容量は相当食われます。

 このソフトの使用についてのクレーム、サポート、ご質問には当社は一切責任を持ちません。ソフト自身にかなり問題を含んでおり、興味本位での試用は止めるべきだと判断します。




日本の企業から認められ、携帯サービスにも採用されるソフトとの違いは?


 中国ではWEBフィルターの個人利用の理解度が浅く、政府がやるものだという認識があります。日本では、WEBサイトの閲覧制限は既に企業間で常識となっています。しかし、日本の場合は「監視、切断」が目的ではありません。社員がパソコンに向かう8時間、何をしているのか経営陣が把握することで、コンプライアンスを守り効率よく業務に向かう環境作りに役立てています。
機能面でも高精度のURLのデーターベースが主体で、中国のものとは比較になりません。

悪質サイト・悪質情報だけが問題ではありません。会社にとって問題なのは。。。

 「株取引」 現在ホットな個人資産作り。本業より副収入UP。
 「買い物」 会社で仕事の合間にネットで買い物。
 「職探し」 次の会社を探すには、検索が一番。
 「音楽、映画、読書」 ダウンロード。会社なら早くて無料。
 「SSN、チャット」 開心網、校内網、新しい出会い。
 「掲示板」 ひまつぶしに会社の悪口でも。
 「WEBメール」 個人アドレスで私的な通信。
 「保存空間」 週末の旅行アルバムを会社で整理。
 「ウィルス」 WEBを閲覧するだけでPCに危害。
 「情報漏洩」 最近多い心配はこちら。

ネットの私的な利用が、職場で行われているのが問題であって政府当局が見せたくない「有害情報」とは根本的に違います。また、日本のソフトでは、「即」遮断をすることはなく、アクセス状況の把握、管理、記録から会社として環境を調整できる決めの細かさが決定的に異なります。
 サーバー管理ですので個々の端末に与える負担もありません。
日本の商品が、中国の公安で認可が取れているInterSafeについては、当社のサイトでご紹介しています。

 資料ダウンロード 工業和信息化部通知コピー PDF
 資料ダウンロード ソフト説明 中文Word
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